「診療情報・残余検体を使用する臨床研究」及び「症例報告」に関する説明とお願い
「診療情報・残余検体を使用する臨床研究」及び「症例報告」に関する説明とお願い
はじめに
当院に通院又は入院されている患者さんと御家族の皆様に,臨床研究及び症例報告の必要性について説明いたしますとともに,御理解と御協力をお願いいたします。
当院は,県立の病院として地域医療を支えるとともに,広島県の基幹病院として高度・先進医療の推進に寄与する役割を担っております。一方で,医療の発展は一朝一夕で成し遂げられるものではなく,患者さんの症例の一つ一つを細かく分析し,集積,検討することから始まります。このためには,診療に伴う患者さんの診療情報や残余検体の活用が必要不可欠です。
・診療情報:日常受けられる診療の記録,病歴,レントゲン等の画像及び検査値等
・残余検体:診断に必要な検査や手術終了後に残った血液や組織等の検体
※ここでいう臨床研究・症例報告の対象時期は当院で診療を受けた過去及びこれからのこと全てです。
臨床研究とは
臨床研究とは,病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明,患者さんの生活の質の向上を目的に, 人を対象として行われる医学的な研究のことです。
主に,単一の集団もしくはある定義のもとに分けられた複数の集団を研究対象として,医学的に有用な根拠を得ます。
症例報告とは
症例報告とは,ある特定の患者さんもしくは複数の患者さんの症状,診断,治療の経過やその報告などの詳細な情報を整理し,公的な場で発表・利用することです。
一般的な事実になる前の仮説の提唱,又は特別な事例の発表を通じて一般化しきれない個別事象に光を当てることで,医療の発展に繋ぎます。
臨床研究と症例報告の主な違いは次のとおりです。
臨床研究 | 症例報告 | |
---|---|---|
内容 | 病気の予防・診断・治療方法の改善や病気の原因の解明,患者さんの生活の質の向上を目的に,人を対象として行われる医学的な研究のこと | 特定の患者さんもしくは複数の患者さんの症状,診断,治療の経過やその報告などの詳細な情報を整理し,公的な場で発表・利用すること |
利用機会 |
・学会での発表 ・施設内及び他施設との症例検討会 ・専門誌や学術誌への論文投稿 ・他施設への試料や情報の提供 | |
倫理的配慮 | 国が定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に基づいて,その研究の倫理性および患者さんの個人情報保護の観点から倫理審査委員会による審査が義務付けられています。 | 国が定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」が適用されず,倫理審査委員会での審査を必ずしも求められるものではありません。 ※近年,報告前に倫理審査委員会の承認を求められるケースが増えてきています。 |
患者さんの同意取得と拒否機会 |
ホームページや掲示物などによる包括同意を踏まえて,各研究の対象となる患者さんには個別に研究内容を説明し,文書による同意を得ます。ただし,個別での同意取得が難しい場合はホームページ上の各研究の情報公開により拒否の機会を設けています。 <当院ホームページ> 医学研究とその倫理性確保に関する取り組み 〇臨床研究に関するお知らせhttps://www.hiroshima.hpho.jp/about/rinri.html |
ホームページや掲示物などにより包括同意を得ます。ただし,極めて珍しい症例等で十分な匿名化が難しい場合は個別に同意を取ります。 |
包括同意とは
包括同意とは,診療上発生する診療情報や残余検体などを将来的な臨床研究や症例報告に活用することについて,患者さん一人一人に文書又は口頭で説明すること(個別同意)なく,患者さんにあらかじめ同意していただくことです。
患者さんの診療情報や残余検体を医学研究や症例報告に活用する場合,患者さんの同意を得ることが望まれますが,その都度同意をいただくのは実際上困難なことが多くあります。包括同意では,不同意のお申し出がない場合は同意していただいたものとするため,同意の場合には手続きの必要はありません。
同意の自由,同意撤回の自由
臨床研究及び症例報告における診療情報の活用に同意されるか否かは患者さんの自由であり,同意されない場合,これらを目的とした診療情報の活用は一切いたしません。また,仮に同意されない場合でも,それによって患者さんが診療や治療上のことで不利益を被られることはありません。御自身の意思で自由に決定してください。
同意されない場合は不同意書を記入し「臨床研究や症例報告で自分の診療情報を使わないで欲しい」という旨を担当医にお申し出ください。
また,一旦同意された後でも,同意を撤回することが可能です。ただし,お申し出をされた時点で,すでに発表・報告を終えている場合は,拒否の御要望に添えないことがありますのであらかじめ御了承ください。
尚,特定の研究についてはあらためて研究内容を説明の上,研究への協力の同意をお願いすることがあります。その場合はついても不同意,同意の撤回はいつでも可能です。
個人情報の保護
臨床研究・症例報告の実施に際しては,倫理性および個人情報の保護に十分配慮し,患者さん個人が特定されることがないよう留意しながら実施してまいります。
情報の提供によって,患者さんに直接の危険性が及ぶことはありません。また,情報は匿名化して扱いますので,研究責任者及び関係者以外は,患者さんの氏名等と結びつけることはできません。同様に,臨床研究や症例報告によって得られた成果を学会や専門誌等に発表する場合にも,個人が特定されることはありません。
これからもより良い医療を提供するため,何卒,御理解・御協力をいただきますようお願いいたします。
令和7年7月15日
県立広島病院倫理審査委員会
(担当 治験支援室, 総務課)
- 外来診療時間
-
午前8時30分~午後5時15分
※初診の方はかかりつけ医の
紹介状を持参してください。
※予約の無い方の受付時間
午前8時30分~午前11時
(予約のある方の後での診療に
なります)
※診療科によっては受診できない
場合があります。
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≫≫外来診療担当医表 - 休診日
- 土曜,日曜,祝日,年末年始
(12月29日から1月3日) - 面会時間
- 11時~13時まで(平日)
15時~20時まで(平日)
11時~20時まで(土・日・祝日)